Frozen white radish

半年かけて作られる、うまさ沁み込む雪国の味。

生産する農家さんが減少し

あまり流通しなくなっているという凍(し)み大根。

 

凍み大根は寒さを利用して作る保存食です。

夜の寒さで凍り、昼の暖かさで解け、

それが繰り替えされることで徐々に大根の水分が抜けていきます。

「寒干し大根」とも呼ばれ、野外で干して作ります。

 

生の大根と比べカリウムが15倍、鉄分が16倍、

カルシウムはなんと22倍にもなるといいます。

栄養価が高く低カロリーな雪国の乾物。

 

健康食品としても人気ですが、なにより美味しい!

スポンジの様に旨味を吸収するので、煮物によく合います。

信州で見かけたら、ぜひ求めたい乾物の一つです。

 

<凍み大根の作り方>

1、大根を作る

 8月ごろ種をまき10月に収穫し、浅く掘った穴に3、40本入れる。

 土と藁をかけて2ヶ月保存する。

 

2、土室から掘り出す

 1月上旬の−10℃が3日間連続する日を見定め、掘り出す。

 

3、大根を加工する

 よく洗い、端を切り落とす。

 皮をむき、太い針などで穴を開けながら紐を通す。

 2本1組で吊るせるようにする。

 (家によっては大根を茹でることもある)

 

4、大根を干す

 大根が触れ合わないように、上下にずらしながら3ヶ月ほど干す。

 軒下で寒風に晒し温度差で水分を出し、乾燥させる。

 

5、カチカチになったらできあがり

 3月末、叩くとぽんぽんと鈍い音がすれば、できあがり。

 

※武庫川女子大学 家森幸男医学博士・調べ

(2017.3)

取材メモ:

美麻の農家、吉澤峯夫さん 

吉澤さんの凍み大根はいーずら大町特産館

創舎わちがいで販売しています。


凍み大根が食べられる「創舎わちがい」のレシピ

http://www.wachigai.com/food/shiki_no_megumi/fuyu/shimi_daikon.html

 

北アルプス山麓ブランド「寒干し大根」

八坂こうげんでは、桂剥きした独自の形で販売しています。

http://kitaalps-sanroku.jp/items/products/processedfood/6.html

<基本的な食べ方>

高野豆腐のように煮物に使うのが一般的です。

1、食べやすい大きさに切ってから、一晩水に漬ける。

 (切りづらいときは、水に漬けてから切ってもよい)

2、漬けた水と出汁(酒1:みりん2)で煮込む。

3、しょうゆで味を調える。

 

<いろんなアレンジレシピ> 

味がギュッと浸みて、ジュワ〜っと美味しさ広がります。

・代表的な料理は「身欠きニシンの煮物」。

・筑前煮やおでんに入れても美味しい。

・味付き凍み大根を油でステーキ風に焼く。

・味付き凍み大根を片栗粉で揚げる。

・味付き凍み大根を冷やして豆、トマトと一緒にサラダ風に。

・夏野菜と一緒にトマト缶で煮込んでラタテゥイユ風に。

番外編:作業の間の楽しみな「おこひる」の風景
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